【勘違いだった…】40代からの両立は「仕事」と「家庭」じゃない
ずっと違和感を持っていました。「仕事と家庭の両立」という言葉に。
結婚して、子どもが生まれるまでは「きっと仕事と家庭のはざまで大変な思いをするんだろう」と思っていました。だけど、子どもが生まれてからはますます違和感が膨らんでいきました。
僕は上手に「仕事と家庭」を両立できているのだろうか?
たぶん、できている。だけど、ピンとこない。
その答えが、40代になってようやく出た気がします。
・仕事と家庭の両立がきつい
・仕事と家庭の両立って何だかよくわからない
・子育ても、家事も、仕事も、ぜんぶなんて無理
・両立なんて一部の特権階級の悩み、自分には関係ない
かつての僕がどこか「両立」という言葉に懐疑的だったように、両立なんて自分にはよくわからない、と思ったら、ぜひ最後まで読み進めてください。
あなたにとっての「両立」が今より少し前向きに、そして自分ごとになると思います。
今回の記事は、以前の記事【無料特典「仕事と家庭を両立する夫婦のための、家事シェアルーティン化Worksheet」&コラム「両立」は未来を変えるチャンスになるのか?】で書ききれなかった両立の話にも触れています。まだご覧になっていない方はぜひ、そちらもご一読ください。
▶ この10年、続けてきたのは仕事と家庭の両立じゃなかった
さいしょに結論から言うと、僕がこれまで10年間続けてきたのは「仕事と家庭の両立」ではありませんでした。僕が続けてきたのは、
Must(やらなきゃいけないこと)とWant(やりたいこと)の両立、でした。
仕事にもMustとWantがあり、家庭にもMustとWantがあります。
たとえばこんな具合です。
よく考えてみると、仕事と家庭という二軸で何かを考えたり、判断することってほとんどありません。それよりも、やりたいこと(Want)とやらなくちゃいけないこと(Must)のはざまで諦めたり、決断をしたりしてきた気がします。
◉ なぜ仕事と家庭の両立はキツイのか?
よく言われる仕事と家庭の両立って、「紫ゾーン VS 緑ゾーン」のようなイメージじゃないでしょうか。つまり「仕事のMust VS 家庭のMust」です。
だけど、きっと子どもが生まれる前は「黄ゾーン VS 紫ゾーン」の両立だったはずなんです。やりたい仕事と、やらなくちゃならない仕事をどう両立させるか。
もしくは、「紫ゾーン VS 赤ゾーン」。これは、仕事とプライベート(趣味など)の両立です。
いずれにしても、MustとWantの両立だった。
それが、子どもが生まれたことで家庭のMustが爆増します。
それによって、Wantは影を潜め、いつの間にか「紫ゾーン VS 緑ゾーン」という両立構造になってしまいます。
やらなきゃいけないこと、ばかりで対立していては面白くないし、キツくなるばかりなのも仕方がありません。
僕自身、子どもが生まれたばかりの頃は、育児のために仕事を一生懸命調整する、という両立バトルでした。これはこれで、とても大切なことだったし、そのおかげで仕事時間をかなり圧縮できるようになったので意味もありました。
だけど、ずっとシンドかったのも事実です。
「子育てが楽になる時期」を心待ちにしていて、いつか「自分のための人生を取り戻そう」と思ってしまうことだってありました。これって、今思えば自分の人生を犠牲にして両立してるってことかもしれません。
◉ 両立するべきはMustとWant
本当に両立させるべきは縦軸。
「やらなくちゃいけないこと」と「やりたいこと」をどうやってうまく両立させるか。
じっさい、両立を前向きにとらえ、楽しみながら過ごしている人はかならず意識的にWantを生活に取り入れているなと感じます。
ぼくには仕事にも家庭にも”やりたいこと”が色々とあります。その一方で、”やらなくちゃいけないこと”もたっぷりある。どうしても”やらなくちゃいけないこと”に時間とエネルギーを注ぎがちですが、そんな中でもどうやって”やりたいこと”をあきらめずにやるか、その両立に奔走してきた10年でした。
▶ 2度の移住は家族のWantを叶えるためだった
わが家の両立でかかせないのは、2度の教育移住です。
・2018年〜2021年:東京→京都
・2021年〜 :京都→東京
1回目は東京から京都へと移住。
理由は、娘の幼稚園環境を変えたいなと思ったため。色々と探して、京都にある素敵な幼稚園と出会うことができました。そして、そこに通わせるため移住。
2回目は3年間暮らした京都から、再び東京へとUターン移住。
理由は、妻のキャリアと娘の小学校入学でした。妻が東京のマイクロスクールの理事長に就任することが決まり、せっかくなら娘もそのスクールに通わせたいね、ということで東京へ戻ってきました。
家族で色々と話し合いをして決めた移住でしたが、僕達がもっとも大切にしていたのは「家族のWant」でした。
娘をのびのび、広々と思いっきり遊び回れる環境で毎日を過ごさせたい、というWant。ちゃんと生計を立てて生活をしていかなくちゃいけないというMust。これらを両立させるために、僕達夫婦は協力し合いながら家事育児をしたり、仕事を探したりしました。
この助け合いの土台となってくれたのが、ずっと続けてきた妻との家事シェアです。夫婦でお互いの思い描く未来像に向けて日々のMustをサポートし合い、まさに家族がチームになる方法を書いたのがチーム家事です。
その後、東京へ戻るときも、妻にとって人生をかけたチャレンジになるチャンスを叶えるため、そして僕達が憧れ、大好きだったスクールに娘が入学するチャンスを掴むため、その他のMustとの両立を一生懸命にこなしてきました。
「やりたいこと」だけでは生活はできないし、それだけで楽しく暮らせるほど恵まれた環境にもいません。だけど、「やらなくちゃいけないこと」だけで人生がいっぱいになってしまうと、何のためにがんばっているのかを見失いがちになってしまいます。
当時は無意識でしたが、わが家では仕事のために家庭を犠牲にしたり、家庭のために仕事をあきらめるのではなく。やりたいこと(Want)のために、やらなくちゃいけないこと(Must)を家族で助け合ってきたのだと思います。
▶ 両立させるべきことに気づいてから、40代が楽しくなった
じつは、東京に戻ってきてからの1、2年は、ミッドライフ・クライシスでこの先の人生に何を求めればいいかわからなくなっていました。
いろんな悩みや戸惑いがありましたが、その中のひとつにあったのが「仕事と家庭の両立への疑問」でした。
たしかに、仕事を調整して、家事育児をする時間を確保できるようになった。そのおかげでかけがえのないものをたくさん得ることができました。だけど、僕は本当に仕事と家庭を両立させることが目的だったのか? そうじゃありませんでした。僕ががんばってきたのはWantとMustを両立させるためだったのです。
家族のWantが叶ったとき。僕自身のWantが叶ったとき。
はじめて、仕事と家庭の両立ができてよかったと思えるのだと。
そのことに気が付きました。
それをキッカケに、自分がどう生きたいか、何をしたいか、目指したいか、とまっすぐに向き合えるようになったのです。
あなたは、何のために毎日がんばって仕事と家庭の両立をさせているのでしょうか?
両立が目的ではないはずです。両立をすることで得られる何かがあり、そのために一生懸命になっているはずです。
キャリアでも、夢でも目標でも、家族との時間でも、趣味を満喫するためでも。Wantは様々でしょう。
ですが、仕事と家庭じゃなく、WantとMustの両立を目指したとき。本当の意味で、両立が未来のチャンスへと変わるときかもしれません。
◉ 【募集終了!】ニュースレター企画:教えて!わが家の家事シェア、失敗談&成功談
以前お知らせしていたアンケート企画ですが、想像していた以上にたくさんの方からご回答いただけました。なんと28名!
おかげさまで、様々なご意見を頂戴できてとても参考になります。
プレゼントの著書「家族全員自分で動くチーム家事」は、抽選で3名様を選んでお送りいたします。
当選された方には、ご入力いただいたメールへと僕からご連絡させていただきます。
ご回答いただいたアンケート結果を踏まえた記事も制作していく予定ですので、楽しみにお待ち下さい。
◉ 編集後記
さいごまでお読みいただきありがとうございました!
両立といっても、その大変さや状況や目的は人それぞれに違います。夫婦の間でさえも違うことだってあるでしょう。ですが、自分の目的をあらためて見据えることで日々の「もうちょっと」をがんばれたりします。今回の記事が、少しだけでも、そんな勇気のキッカケになれたらと思います。
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