【どうする?】家事に「こだわりがある」場合、私が妥協すべきなのかーー!?

こんにちは! 家事シェア研究家の三木です。
さて、今日はこんなテーマでご質問をいただきました。
「私は、家事のやり方について本を読んだり、YouTubeを見たりして色々工夫しているのですが。家事シェアしようと思ったときに、どうしても家族のやり方が気になってしまって。こんな場合は、やっぱり全部自分でやった方がいいのでしょうか?」
わかります! その気持ち!!
たとえば、洗濯物の干し方。タオルは端を揃えて干してほしいし、靴下はちゃんとペアにしてから干してほしい。お皿洗いだって、フライパンは最後にして、他の食器に油がつかないようにしてほしい。
「こうすればもっと効率的なのに…」
「あとで自分がやり直すくらいなら、最初からやったほうが早い」
そう思ってしまうこと、ありますよね。
家事シェアは「わが家のスタイルを共につくる作業」
でも、そんなときにちょっとだけ立ち止まって考えてみてほしいんです。
それは、「家事シェアって、何のためにするんだっけ?」という問いです。
もちろん、家族みんなが気持ちよく暮らすためだし、効率的にやるべき家事を終わらせるためでもある。でも実際には、誰が“やるか”“どうやるか”ばかりが話題になりがちです。
そして、やり方が合わないと、「もう自分でやった方が楽だ」と感じてしまう。
でもそれって、「やり方の違い=自分の正解に対する“異物”」と見なしてしまっている状態でもあります。
生活って、もともとみんなが「同じやり方」をする必要はないはず。
むしろ、「違いがある」からこそ、助け合ったり、補い合ったりできる。
家事シェアも、「正しくやること」が目的じゃなくて、「一緒に暮らしていくこと」が目的です。
僕自身も、かつては家事に対してすごく「こだわり」がありました。
掃除機をかける順番や、洗濯物を干すルール、食器の収納場所だって、全部自分のスタイルがあった。
でもあるとき、ふと気づいたんです。
「自分のやり方」を押し付けるほど、家族は不自由になってシェアしづらくなるんじゃないかと。
そして、妻や子どもがやってくれた方法を否定してしまうことで、「家事に関わろう」という気持ちをくじいてしまっていたかもしれない、と。
そもそも、家事シェアって僕の理想通りの暮らしを実現させる手段じゃなくて、家族みんなにとって心地よい暮らしを実現させることだと思うのです。
だからといって、それは僕がやりたい家事の方法を妥協したり、諦めたりすることと、必ずしもイコールではありません。
生活の知恵をシェアし合おう
よく言われるように「パパを新入社員だと思って丁寧に家事を教えよう」という考え方。これに僕はずっとずっと違和感を感じていました。これって、ママが言うだけじゃなくて、パパ自身もそうやって言ってたりする。でも、共に暮すパートナー同士で、仮初にしても上下関係があるのって、僕は違うと感じる。
だったらどうするかというと。「もうちょっとこうしてくれたら助かるな」って思ったときは、「指導」じゃなくて「共有」というかたちで伝える。
たとえばこんな風に。
「タオル、すごくきれいに干してくれてありがとう。こうやって干すと乾きやすいんだよ。」
とか、
「お皿洗い、してくれてありがとう!フライパンを後にすると、他の食器がきれいに洗えるんだよ。今度やるとき試してみて」みたいに。
これなら、「正しさの押しつけ」ではなくて、「生活の知恵のシェア」になる。
うちではよく「ちょっと、洋服のたたみ方、こうするといいらしいよ!」と言ったり「このスポンジがめっちゃ汚れ落ちるらしい…!」なんて話したりします。べつに、妻はそのつど興味津々に聞いてくれるわけじゃありませんが(もっと聞いてほしい!!)それでも、次にたたむときに「あれってどうやるんだっけ?」とか「このスポンジ、たしかにいいかもね」なんて言ってくれたりします。
家事シェアって、「作業の分担」ではなく「関係のデザイン」だと思っています。ただタスクを分けるのではなく、家族との“関わり方”を一緒に育てていくプロセス。
最初はぎこちなくても、ちょっとずつすり合わせていくうちに、「わが家のやり方」ができていきます。
そのやり方は、教科書にもYouTubeにも載っていない、あなただけの、家族だけの方法です。
だから、冒頭のご質問に戻ると、「全部自分でやった方がいいのか?」という問いには、こう答えたい。
「いいえ。むしろ、“やり方が違っても関われる”ことの方が、ずっと大事です」
完璧じゃなくても、やり方が違っても。
家族みんなが「家のこと」に関わっているという実感があること。
それが、暮らしの中の安心感や信頼につながっていきます。
ぜひ、ちょっと肩の力を抜いて、相手のやり方にも“余白”を持ってみてくださいね。
今日も、あなたの暮らしの中に、少しでもあたたかい対話が生まれますように。
では、また!
■ 今週のVoicy
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