【わが家は大丈夫!?】妻を幸せにする家事分担の割合を働き方別に解説!
夫は家事を10:0でやってもらっても、全然ありがたくその恩恵を享受できてしまうでしょう。
でも「妻だって夫が家事を全部やってくれるなら、その方が幸せに決まってる!」…とは、たぶん多くの女性は思わないのではないでしょうか?
「さすがに全部やってもらうのは気まずい…」とか「自分でもある程度はやりたいんだけど…」と思う人も多いはず。この家事に対しての価値観というのは、不思議なことに男女で違うものなのかもしれません。
では、妻の幸福度を最大化させる家事の分担割合とはどのくらいでしょうか。
そんな研究をした論文があります。(※1)
さっそくその研究結果を紹介すると。
共働きの妻は、家事育児負担55%で幸福度が最大化。
専業主婦の妻は、家事育児負担60%で幸福度が最大化。
そして、いずれも75%を超えると幸福度は下がってしまうという結果でした。
つまり、共働き家庭の場合は【55妻:45夫】が妻にとってベストな家事分担割合であり。
専業主婦家庭の場合は【60妻:40夫】が妻にとってベストなのだという結果に。
さらに注目すべきは夫との家事分担割合が逆転してしまうと、妻の幸福度は下がってしまうということ。
つまり、共働き家庭の場合は【55妻:45夫】が妻にとってベストな家事分担割合であり。
専業主婦家庭の場合は【60妻:40夫】が妻にとってベストなのだという結果に。
共働きと言っても妻の雇用状況によっても差があるのではないか、と思う方もいるでしょう。
では、それをもう少し詳しく見ていきます。
妻が正規雇用の場合【47妻:53夫】
妻が非正規雇用の場合【51妻:49夫】
妻が自営業の場合【72妻:28夫】
ほぼ5:5が理想的という中、妻が自営業の場合のみ妻の家事育児負担が大きくても幸福度が高いという結果に。
とはいえ、現実的に5:5で家事育児ができる家庭というのもなかなかないでしょう。
では、パパたちはどうすればいいのでしょうか?
そのヒントになる研究もあります。
▶ パパのQOLを高めるにはどうすればいいの??
じつは、というか、残念なことに、というか。
パパが家事育児を行うこと、それ自体はパパ自身のQOLを高めることには繋がりませんでした。(※2)
これは、ママがある程度自分で家事育児していないと幸福感を感じられないという、先程の研究結果と比べてみても、パパとママの違いと言えるかもしれません。
パパ自身は、余裕で全家事育児をママに委ねてしまえるのでしょう。
ですが、パパのQOLには「夫婦の関係性」が関わっていることも同じ研究でわかっています。
それは「ママの情緒的サポートをすることが夫婦の関係性を高める」ということ。
一方、ママを対象とした研究では
「父親が夫婦関係に満足し,自分はよく育児家事をしていると思っているほど,母親は父親の育児家事行動に満足している傾向が強い」「母親が父親の育児家事に満足しているほど,母親の育児ストレスは少ない」
と言われており、パパが夫婦関係に満足することが、パパの家事育児に対しての満足につながるようです。
ですので、物理的にパパの家事負担を増やすことは確かに大事ではあるものの、それ以上にお互いが「夫婦関係」に満足していることが重要なのです。そしてその要となるのが情緒的サポート。
夫が実際に何をするかではなく,夫が家事育児という仕事を大変と思い,夫なりに頑張って行い自分たちの夫婦関係が良いと思っていると,母親の満足度が高くなり,母親が安定した心理状態で育児を行えるということを示唆している
当然と言えばそうですが、家事育児の大変さを労い、感謝を伝え合い、できることを助け合う。
こうして妻の相談にのったり、心配事を聞いてあげるというような情緒的支援が、最終的にはパパ自身のQOLを高めることになるようです。
では、「やっぱりパパに家事育児を物理的に負担してもらうことは無理」なのでしょうか。
▶ パパはもっと周りにヘルプを出さなきゃダメ!
パパが行っている家事育児の工夫は「自分の意識の変化や努力で達成できるもの」が多く「職場の仲間に協力を依頼したり,周囲に自身の子育ての状況を表出したりして理解をもとめるような項目については実施率が低かった」(※2)とのこと。
つまり、一生懸命がんばる! というパワープレイでどうにかしようとしてしまっているのです。
これには現実的に無理があるということは、以前のニュースレターでも詳しく書きました。
もうパパたちは自分の気合だけでは、家庭に対してのQOLを上げるのが難しい状況なのかもしれません。
大事なのは、周りの助けを借りること。
多くのママが、ママ友をつくり、子どもの預け合いをしたり、家事育児や教育について情報交換し合ったりするのは、とても理にかなった戦略だと言えます。
パパも、地域にパパ友をつくったり、家庭のことを相談できる仲間を持つことが必要なのです。
周囲に助けを求めることは、恥ずかしいことでも、周りに迷惑をかけることでもなんでもありません。助けてもらったら、いつか自分が誰かを助けてあげればいいだけのこと。
そうして、助け合いの輪は広がっていきます。
ですが、助け合いは知らない人とはできません。
いつでもお互いに助け合えるように、パパ友、ママ友の輪をつくりましょう。職場にも育児のことなどを雑談がてらでいいので共有しておきましょう。
パパが家事育児をしている存在であることを、周囲にちゃんと意識してもらうのです。
まずはそこから、はじめてみましょう!!
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【参考文献】
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