パパの家事参加、衝撃の最新調査
こんにちは。家事シェア研究家の三木です。
「両立を未来のチャンスに変える!」をコンセプトに、家事育児の最新調査や働き方改善、夫婦でできる家事シェアやコミュニケーションについて発信していきます。
今回は令和6年、パパの家事参加調査の最新版をご紹介します。
「最近のパパは家事するようになったよね〜」の肌感覚は、どのくらい正しいのでしょうか?
ぜひ、ご登録いただけたら嬉しいです!
▶ 最近のパパは家事するようになったよね、はどこまで本当?
ここ数年、家電等のCMでもパパが料理や洗濯など家事をしている姿がよく描かれるようになりました。ぼくの周りのパパたちも家事育児に積極的な人が大多数。ママからパパへの不満もよく聞きますが、以前に比べればずいぶんと少なく、マイルドになったようにも思います。
こうした状況をみて「日本は着実に男女平等に向かって進んでいる」と思っている人も多いかもしれません。
では、実際にパパの家事参加はどのくらい増えたのでしょうか?
上記は、2006年〜21年までのパパの家事育児時間の推移を示した図です。たしかに右肩上がりですが、2016年からの5年間で上昇はわずか31分(!)
そしてもうひとつ驚くべきは、「共働き家庭」と「専業主婦家庭」の差の少なさです。
夫は共働きだろうと、妻が専業主婦だろうと家事育児をする時間はほとんど変わらないとの結果です。(※共働き夫:1時間55分 夫が有業で妻が無業の世帯の夫:1時間47分)
とはいえ、こうした調査は調査対象や調査方法によっても少し結果が変わってきたりします。
そこで、もうひとつ違った調査を見てみましょう。
こちらは東京都の調査です。平日のパパの家事時間は「1時間未満」が48%とほぼ半数。
図は添付していませんが、同じ調査の休日では「1時間未満」が24.9%。「1〜2時間」が35.5%と2時間以下が60.4%となっています。ちなみに休日の女性は「2時間以上」が76.7%です。
どちらの結果を見ても、パパの家事育児時間は平日1時間、休日2時間未満、というのがもっとも多いパターンかもしれません。
▶ パパの家事育児「時間」はこれ以上、伸びしろなし!?
なぜ、パパの家事育児時間はこんなにも伸びていかないのでしょうか?
じつは、そもそもの「伸びしろ」がもうない、という調査結果もあるのです。
※3 ポストイクメンの男性育児 より筆者作成
日本の男性は、仕事や通勤時間が長すぎて、そもそも自分で自由に使える時間がほとんどない。
その限られた自由時間のほぼ全てを「家族との時間」に費やしているんだ、という調査です。
これには大いに納得するパパも多いのではないでしょうか。
ここまでの結果から考えてみると、パパの家事育児時間の過多は、妻の働き方(専業か共働きか)はあまり関係なく、パパ自身の仕事の忙しさに影響されるのではないか、ということができます。
こう言ってしまえば当たり前のようですが、よく「うちは共働きだから、ふたりとも家事しています」が、決して正しい理由ではないとわかります。こうした家庭は共働きだろうと、専業だろうと関係なく2人で家事育児をする夫婦なのでしょう。
▶ 充実した「家族との時間」のためには、自分の働き方改革は必須!
なぜ、パパたちはこんなにも時間がないのでしょうか。
昭和の企業戦士のように「24H働けますか」なんて時代ではなく、ワーク・ライフ・バランスがよしとされる時代になったように思いますが、実態は業界や会社によってそれぞれなのです。
社会はゆっくりではありますが、残業をなくし、家庭との両立が当たり前になるようにと、施策を勧めています。企業も、男性育休が推進されたり、残業のない働き方を進めたりと大手企業を中心に働き方改革が進んでいます。
ですが、どうしても社会や企業の変化には時間がかかります。
あと5年で、みんなの残業がなくなってワーク・ライフ・バランスが実現されるなんてことはないでしょう。ですが5年経てば、わが子は保育園から小学校へ。小学校から中学校へ、高校へと成長していきます。
子どもとの関わりを持つ時間、夫婦で助け合いの関係を深める時間は、その間にどんどん失われてしまいます。
社会や会社を理由に、両立をあきらめてはいけません。
べつに完璧である必要はないし、どこかのイクメンのように何もかもできる必要もありません。
ですが、残業をなくすための最大限の工夫をしたり、時間がない中でも家族に貢献できる家事シェアを夫婦で一緒に考えたり、お互いに助け合うことはいますぐに始められます。
そして、それらのアクションは1秒でも早いほうがいいに決まっています。
▶ パパ家事のヒントはファミリーキャリアにあり
忙しいパパが、どうやったら充実した働き方と、家族の笑顔を両立できるのか。
限界まで追い詰められたママが、どうすれば家族との家事シェアを実現し、自分自身の社会活動にも注力できるようになるのか。
一発で解決! というわけにはいきませんが。
そのヒントは”ファミリーキャリア(家族としてのキャリア)”にありそうです。
ファミリーキャリアとは、Harvard Business Reviewに掲載された考え方で、家族がともに互いのキャリア構築を支え合うことです。
共働き家庭が当たり前になったいま。
「夫のキャリアが最優先で、妻はそれを支える内助の功」は理想の家庭像ではなく、ただのキャリア戦略の一つでしかありません。当然、その逆の時期があってもいいわけです。
と、いうことで。
次回から少し、このファミリーキャリアについて掘り下げていきたいと思います。
みなさんのご家庭のキャリア戦略を考えるヒントをお伝えできればと考えています。
【参考資料】
※1 我が国における家事関連時間の男女の差 ~生活時間からみたジェンダーギャップ~ _総務省統計局
※2 令和 5 年度 男性の家事・育児実態調査 _東京都生活文化スポーツ局
※3 ポストイクメンの男性育児
※4 共働き夫婦の人生を充実させるには、「家族としてのキャリア」計画が必要である
▶ 編集後記
さいごまでお読みいただき、ありがとうございます。
tadaima通信は、あらたなスタートを切ったばかりで色々と模索中です。
そこで、これからみなさんが読んでみたい、知ってみたい、自分の代わりに調べて欲しい情報やコンテンツが何か、ぜひ教えて欲しいです。
下記、匿名で1分ほどで解答できる内容となっていますので、ぜひご意見聞かせてもらえたら嬉しいです。
また、記事のシェアなどしてもらえたらありがたいです!
では、また。
◉ お知らせ
✔ 東京都産業労働局主催 男性育業促進オンラインセミナーの講師に抜擢されました。
東京都が開催する男性育業(都では育休ではなく”育業”というワードを推進しているのです!)を促進するセミナーの講師に抜擢されました。
そうそうたるメンバーの中に入れてもらい、とっても光栄です。
僕は、男性育業の魅力をめっちゃくちゃ解りやすく解説して、その魅力をたっぷり伝える、という使命(?)のもと、お話をしています。
無料でオンライン参加できるので、ぜひ気軽にお申し込みください!
開催日時:令和6年8月29日(木)13:30〜15:40
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