【子どもが変わる!】家事教育で非認知能力を育む!わが家でも実践中の方法3選
「家事」と「教育」というのは、子育てをしていると必ず一度は考えるテーマです。
子どもが小さいうちは「お手伝い」が子どもにとってどんな影響を及ぼすのか。
大きくなってくると「勉強・塾・部活」が忙しくて家事なんて、とてもじゃないけどさせてる暇がない。でも、それはそれで心配になる。
僕自身も、ひとりの親であり、また家事シェアの事業を通していろんなご家庭と携わり、子どもたちと関わるボランティアなどの活動を通して、この家事と教育について考えてきました。
今日は、このテーマについていくつかのエビデンスと共に、家事教育のメリットと実践法についてご紹介していきます。
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今回のコンテンツ
▶ 子どもの非認知能力を伸ばす!家事教育3選
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▶ 非認知能力の向上が子どもの収入をUPさせる!?
「非認知能力」という言葉を聞いたことがある人も多いと思います。
これは意欲、協調性、粘り強さ、忍耐力、自制心、創造性、コミュニケーション能力といった、数値で測定することができない能力のこと。
IQや学力テストのように点数による測定をするものではありませんが、子どもの成長と将来に大きな影響を与える能力であるとして、教育の世界でも広く注目され、取り入れられている能力なのです。
これらの能力は学習指導要領では「生きる力」として扱われ、学校教育においても重要視されています。
この非認知能力の重要性を表す研究としてよく紹介されるのが「ペリー就学前プログラム」です。
◉ペリー就学前プログラムとは
1960年代、アメリカ・ミシガン州で行われた研究です。
この研究では、対象の子どもを以下の2種類に分けました。
① 質の高い幼児教育プログラムに参加するグループ
② 教育的な介入をしなかったグループ
①のグループには、幼稚園での幼児教育への参加と、家庭(養育者)には専門家による家庭訪問及びアドバイスを行いました。つまり子ども自身だけじゃなく、保護者にも教育を施したということになります。
このグループをなんと40年に渡り追跡調査を行い、子どもの将来への影響を検証しました。
結果は、①幼児教育プログラムに参加したグループは、②教育的介入をしなかったグループの子どもたちに比べて学校の成績、より高い年収、持ち家率、犯罪率などにおいて良い結果につながっていました。
この調査と非認知能力の重要性は、なぜ関係があると言われているのでしょうか。
たしかに幼児教育によってIQや学力テストの成績は一時的にアップしました。ところが、8歳前後になると②のグループとの間に、IQにおける有意の差がほとんど見られなくなってしまったのです。
幼児教育による認知能力の上昇はできたけれど、効果の持続はしなかった、と言われています。
それにも関わらず将来の年収や犯罪率に影響を及ぼしたのはなぜか。それを調査した結果、プログラムを受けた子どもたちの「非認知能力」が向上していると分析されました。
・参考文献:※1〜4
▶ 子どもの能力を伸ばすには順番がある!?「学習のための積み木」
アメリカ・ニューヨークを拠点とする非営利団体ターンアラウンド・フォー・チルドレンが提唱する「学習のための積み木」という概念があります。
これは、子どもの能力を伸ばすには順番がある、ということを示すもので以下のような図で表されます。
学習のための積み木では、上の積み木ほどレベルが高く発達過程の後半で伸びると言われています。そのためまずは土台となる部分((誤) 添付ファイル→(正)愛着:アタッチメント)がしっかりと築かれていることが大切だとされています。(※5)
また、この積み木は関連する能力を積み上げていくイメージにもなっています。
例えば「学問への粘り強さ」を養うためには、その列の一番下にある「自己規制(自制心)」が養われている必要があるということです。
この学習のための積み木は、調べるほどに深く面白く、実際の子育てでも大いに役立つので、またの機会に詳しく解説したいと思います。
今回は、この中でも家事教育で育みやすい「自制心(自己規制)」について、家庭でどのようにすればよいのかをご紹介します。
▶ 家事を通じて育む力。それが自制心
念の為お伝えしておくと、家事を通じて育まれるのは自制心だけではありません。
料理を通して創意工夫する力を養うこともできるし、面倒くさい、やりたくないときでも自分を奮い立たせて家事をすることは粘り強さや忍耐力に繋がります。そして何より、家族の一員として役割を果たすことは帰属意識を芽生えさせ、協調性をやしなうことにもなる。
たくさんのメリットがありますが、それらの基礎となるのがやはり自制心です。
では、どうやって家事を通して自制心を育んでいけばよいのでしょうか。